不登校は本当にデメリット?現状を見直す5つの視点
こんにちは。
《40代以上女性専門》あなたのひきこもりという悩みをチャンスに変えて、
学校に行かなかったり行けなかったりする事が「登校拒否」と呼ばれていた時代もあったけれど、今では「不登校」という呼び方が一般的ですね。それに伴い、「登校拒否」と言われていた頃より、多少マイルドなイメージに変わってきていますが、それでもやはり「不登校」をネガティブな出来事として捉えてしまう風潮は残っています。
だからこそ、『不登校はデメリット』と考えている人が多いのです。そして、こどもが不登校になると、親・・・特に子育ての責任を一手に引き受けているケースが多い「母親」が苦しむことになっていく。
だけど、物事にはいくつもの側面があるように、「不登校」もデメリットしかないわけではないと私は考えています。そして、その視点を親が持つことが出来れば、こどもへの対応も変わってくると思うのです。
そこで今日は、「不登校は本当にデメリット?現状を見直す5つの視点」というテーマでお伝えしていきます。あなたの心が少しでも軽くなりますように・・・
目次
不登校は本当にデメリット?現状を見直す5つの視点
それではここから、「不登校」って本当にデメリットでしかないのかについて、5つの視点で考えてみましょう。
①学校に通わないからこそ得られる自分の時間
不登校が一般的に「デメリット」と思われている大きな理由の一つに、こどもが「学校」での学習機会を逃してしまう、という考え方があります。でも別の視点でみてみると、学校に通わないことで得られる自由な時間は、こどもにとって大きなチャンスだとも言えるのです。こどもが不登校になっても、学校に行かない時間をどのように過ごすかによって、その時間は貴重な成長の機会へと変わるからです。
たとえば、自分の行きたい場所にいつでも自由に行くことができます。ある程度の年齢であれば、リゾートバイトなどもいいですね!「不登校の自分」のことを誰も知らない場所で、宿泊しながらアルバイトをしてお金をもらう。自分の力でお金を稼ぐ経験を積むことは、間違いなく本人の自信につながっていきます。
また、趣味や特技など自分の好きなことに没頭する時間があることも、むしろメリットではないでしょうか?自分の興味を持ったものに、集中して取り組むことが可能だからです。
すると、音楽やスポーツ・ダンスなど、学校の時間割ではほとんど出来ないことにも多くの時間を割けるため、自己表現やスキルアップが期待できます。本人にとってはやりたいことだから、ストレスなく取り組めるからこそ成果にも繋がりやすいですね。そして、これまた、間違いなく本人の自信につながっていきます。
しかも、それが自立に繋がっていくケースだってあるのです!
実は私には、高校1年の夏休み明けから不登校になり、結果的に退学をしてひきこもりになった息子がいます。彼が不登校になり、ハマっていったのがネットゲーム。当時は、何とかゲームを止めさせようと必死だった私でしたが、その頃の彼にとっては「ゲームが命綱」だったことが分かり・・・
私自身、それまで強固に刷り込まれていた「ゲームはダメ」という価値観を苦しみながらも手放し、全て彼のやりたいように黙って見守る方針に考え方を180度転換。
結果的に当時ハマっていたゲームによって、息子はパソコンのスキルがアップ!紆余曲折ありましたが、プログラマーとして社会人になることができたのです。このように、不登校で学校に通わないからこそ得られる「自分の時間」をどのように活用するかは、こどもの将来に大きな影響を与える重要なポイントになります。
※ゲームが息子の命綱だった頃のことを書いた記事です。こちらもお読みくださいね。
【参考記事】ひきこもりだった息子にとってのネットゲーム
②ストレスから解放されて自分のペースで過ごせる生活スタイル
学校に行くことは、こどもにとって大きなストレス要因になっていることがあります。友人関係のトラブル、成績へのプレッシャー、先生との相性、さらには学校行事や部活動など、さまざまなストレスが積み重なって、心や身体に負担をかけてしまう場合があるからです。特に、学校内でのいじめや孤立があると、登校することは本人にとってメンタル的にとても負荷がかかってしまいます。
そのため、不登校になることでストレスから解放され、自分のペースで自由に生活できる環境は、こどもの心の健康にとって非常に重要です。無理に学校に通わせようとするよりも、家庭をこどもが安心して過ごせる居場所に整え、心身を休める時間を作ってあげる必要があります。
学校ではみんなと一緒に、時間割通り決められた時間に合わせて行動しなければなりませんが、家の中で自分のペースで自由に生活することは、自分の体調や気分に合わせて過ごすことができます。これは、体調管理の面でも回復に向けた大きなメリットになるはずです。
また、不登校になって学校でのストレスが減ることで、家族とのコミュニケーションもよくなるケースが多くあります。実は、当時の私にとっては、「息子が学校に行くのか行かないのか」を、毎朝考えることが本当に苦痛でしんどかったです。つい、期待してしまうのです・・・
だから、不登校に突入して「期待しても仕方がない」と、ある意味諦めと踏ん切りがつくと、学校への連絡もしなくていいため、私自身のメンタルもかなり落ち着いてきました。親子で落ち着き、リラックスした時間を持つことは、信頼関係を深め、こどもの不安感や罪悪感を減らしていく助けにもなるはずです。
このように、自分のペースで過ごす時間は、こどもにとって大切な心の安定をもたらす貴重なものです。
③不登校をきっかけに親子で考える新しい学びの形
不登校は、通常の学校教育から一時的に離れることを意味しますが、そのことをきっかけにして親子で新しい学びの形を考える良いチャンスにもなります。親が、これまでの「こどもは学校に通って学ぶもの」という固定観念を捨て、その子の個性や興味に合った学びを見つけることができるからです。
たとえば、オンライン授業やフリースクール、通信教育などの学校の代わりになるような学びの選択肢が、今では色々ありますね。特に、新型コロナウイルス感染症が蔓延してからは、こども達が登校することを社会的に制限されたことすらありました。そのため、一気にオンライン授業が整備されたのです。
これらの代替手段では、こどもが自分のペースで学べる環境が整っているため、学校でのプレッシャーを感じることなく、自分の興味に集中することができます。また、親が柔軟な態度で選択肢を提示し、こどもの意思を尊重してあげることで、親子の信頼関係も深まっていきますね。
このように、不登校を単純に「デメリット」として捉えるのではなく、むしろ「こどもの個性にあった新しい教育スタイルを探し出すチャンス」という視点を持つことで、親子で協力しながら成長していくことも可能なのです。そして、それが後から来る誰かのための「道作り」にもなっていくから、ある意味「パイオニア」でもあるのです(^ ^)
今の社会では、このようにさまざまな学びの方法が存在するため、「学校に戻す」ことだけを目指すのではなく、親が柔軟に対応することでこどもの可能性を広げることができますね。
④学校以外でのコミュニケーション能力の向上
不登校になって学校というコミュニティから一時的に離れることは、逆に学校以外でのコミュニケーション能力を高める機会になります。学校内での人間関係に縛られることなく、地域や趣味の活動などの今までとは違う環境での新しい人間関係を築くことができるからです。
たとえば、地域のボランティア活動やスポーツクラブなどに参加してみたり、アルバイトを始めることで、これまで接したことのないような年齢層や背景を持つ人達との関係性が生まれます。それによって、こどもは多様な視点を持つことができ、コミュニケーション能力が自然に高まっていくのです。
また、家庭が本人にとって安心安全な居場所と認識できていれば、不登校で家にいる時間が増えることで、家族の中のコミュニケーションも増え、親子の会話も活発になっていきますね。
さらに、リアルのコミュニケーションだけではなく、インターネットやSNSを通じて、共通の趣味や興味を持つ仲間とオンラインで繋がることも可能です。すると、学校という限られた場所にとらわれず、もっと広い世界での人間関係を築くことができるため、視野が広がり、適応能力もより育まれていくのです。
特に、学校でのいじめや孤立が原因で不登校になった場合、学校以外の場所で人と関わる経験は、こどもにとって新しい自信を持つきっかけにもなります。息子は、ネットゲームで知り合った人やバイト先の常連さんなどから、社会に出るために必要なことを色々教わっていたようでした。それらの経験は、間違いなく息子の自立に大きな影響を与えています。
このように、学校とは違う環境で自分を表現し、認められる経験は、こどもの自己肯定感を高めることに繋がっていきます。
⑤不登校はこどもの個性と成長を理解するチャンス
不登校という状況は、親にとってはこどもの個性や本質的な成長を理解する貴重なチャンスになります。同級生など、常に他の誰かと比べて評価される学校生活ではなかなか見えてこない、こどもの本当の興味や得意分野などのこどもの本質がより鮮明に見えてくるからです。
たとえば、学校では成績が悪くて悩んでいたこどもが、実は創造的な才能や手先の器用さ、あるいはリーダーシップがあるなど、学校のカリキュラムでは評価されにくい能力を持っていることが分かることもあります。また、学校生活でのプレッシャーがない環境で、こどもが自分自身と向き合い、自分のペースで成長する姿を目にすることができるかも知れません。
実は、息子が不登校からひきこもり状態になっていた当時、晩ご飯作りをやってくれていた時期がありました。息子には、それまでほとんど料理をさせていなかったので、全く期待していなかったのですが・・・実際にやっていくうちに、自分でネットの料理のサイトを見て作るようになり、ラーメンのつけだれまで手作りしてくれたことがあって感動したものです。普通に学校に行っていれば、息子にこんな才能があったことなど、全く気付かなかったはずです。
我が家では、このような経験を親子で共有することで息子の自己肯定感が高まり、回復へのエネルギーを貯めていけたのだと感じています。親子で一緒に成長する経験は、不登校という困難な状況を乗り越えるための大切なステップです。
まとめ
いかがでしょうか?今日は、「不登校は本当にデメリット?現状を見直す5つの視点」というテーマでお伝えしてきました。
これまでの教育の考え方は「みんなと同じようにできること」を求めてきました。でも、これってどう考えても無理だったんですよね。だって私たちは、一人ひとりみんな能力や経験、出来ること・出来ないこと、得意なこと・苦手なことが違うんだから・・・それが、私たちの大事な『個性』ですね!
そう考えると、不登校になっているこども達は、逆に「自分を大切にしている」とも言えるのです。これって、私たち大人も見習っていくべき考え方なのではないかなと思うのです。私たち親が、こども達に「もっと自分を大切にしてもいいんだよ。もっと自由になっていいんだよ」と、教えてもらっているのかも知れませんね(^ ^)
※私が息子からもらったプレゼントについて書いた記事です。こちらも併せてお読みくださいね。
【参考記事】ひきこもりだった息子がくれた“自由”というつばさ
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この記事を書いた人
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《40代、50代女性専門》チェンジングカウンセラー®の平井いずみです。
現在、鹿児島県在住。インターネットを中心に活動していますが、時々屋久島に出没します。
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