ひきこもりから社会復帰へ|親が避けたいNG対応3選と、はじめの一歩

こんにちは。

 

不登校・ひきこもりの母親専門『チェンジングカウンセラーⓇ』の平井いずみです。

 

ひきこもりの期間が長くなるほど、本人だけでなく、家族にとっても大きな心の負担となりますね。

 

特に、親が「社会復帰させたい」という強い思いを持っているほど、本人に対してつい無理な接し方をしたり、必要以上に関わろうとしたりすることも多いのではないでしょうか。

 

実は、高校1年の時に不登校になり、休学中も含めると7年近くひきこもりだった息子のいる私が、当時はまさにこの状態。

 

でも、親の関わり方次第で、社会復帰の道のりが大きく変わる可能性があるのです。

 

そこで今日は、『ひきこもりから社会復帰へ|親が避けたいNG対応3選と、はじめの一歩』というテーマで、親が安心してサポートを続けられるよう、専門的な視点からわかりやすくお伝えしていきます。あなたの心が少しでも軽くなりますように・・・

 

社会復帰を望む親が、避けたいひきこもりのNG対応3選

それではまず、「少しでも早く・・・」と、社会復帰を急ぐあまり、親がやってしまいがちな、避けるべき代表的なNG対応を3つご紹介します。

 

①ひきこもりの本人を責めたり否定したりする

まず1つ目は、ひきこもりの本人を責めたり否定したりすること。

 

実際私も、息子がひきこもりの時に、自分の不安や焦りからつい言ってしまっていたのが

「どうしてできないの?」

「もういい加減にしなさい!」などの叱責の言葉達。

 

でも、これらの強くてキツイ言葉は、本人の心に鋭いトゲのように突き刺さって、抜けなくなってしまう可能性が・・・

 

そして、本人のエネルギーを奪い、社会復帰のための前向きな“一歩”を踏み出す勇気を失くしていく。

 

すると本人は、自己肯定感が少しずつ下がり、しまいには「自分は何をしてもダメだ・・・」という、絶望的な気持ちを抱いてしまうことだってありますね。

 

さらに、親子の心の距離が広がることで、信頼関係が崩れていく。

 

結果的に、ひきこもり状態を長引かせてしまうことに、つながりかねないのです。

 

う~ん、これってむしろ、望まない方向にまっしぐら!?って感じですよね。

 

だからこそ、親がサポートをする時に大切なのは、ひきこもりの本人の気持ちに寄り添うこと。

 

そのため、本人が伝えて来た不安や悲しみ、つらさを丁寧に受け止め、その気持ちに共感することが、親子の信頼関係を再構築するための、第一歩となります。

 

【声かけ例(NG)】

「そんなの、気のせいじゃない?」と軽く流す。

「みんなだって、頑張っているんだよ」などと、正論で返す。

 

【声かけ例(OK)】

「そんなことがあったのね。それじゃ、苦しくなるはずね・・・」

「話してくれてありがとう。そんなにつらかったのに、よくやってきたね・・・」

 

このように、親の対応としては、“無条件の肯定”と“受容の姿勢”が大切です。

※あなたが何を手放せばいいかを、『母親の役割』という視点で具体的に書いています(*^^*)

【関連記事】子どもがひきこもりから抜け出すには何が必要?

 

②ひきこもりの本人をコントロールしようとする

続いて2つ目は、ひきこもりの本人をコントロールしようとすること。

 

実は、親の過干渉によるコントロールは、本人にとって「自分の人生を生きる自由」を奪われる感覚につながってしまうこともあります。

 

たとえば、ひきこもり状態の時には、多くの場合昼夜逆転など生活リズムが崩れている場合が多いですね。

 

その時やってしまいがちなのが、社会復帰を念頭に置いた親が、ひきこもりの本人の生活リズムを、無理に変えさせようとしたり、本来なら自分でやるべきスケジュール調整など、色んなことに勝手に口出しをすること。

 

「こうするべき」と、親が自分の考えや価値観を本人に押し付けてしまうことは、コントロールにつながりやすいので当然NGですね。

 

実はこれって、親は「良かれと思って」やっているつもりでも、実際は本人のチカラや主体性を奪い、反発や無力感を強めることにもなりかねません。

 

特に、ひきこもり状態が続き「自分で選べない」状況が長くなればなるほど、社会復帰に必要な“自己決定力”が育ちにくい。

 

そこで、親が意識しておくべきサポートの基本は、ひきこもりの本人が、自分で考え、自分で選び取ることのできる環境を整えてあげること。

 

具体的には、会話の中で提案や質問を通じて、少しずつ本人の意思を引き出す対応が有効です。

 

ただし、その時に気をつけないといけないのは、無理やり「話をさせよう!」と、勢いで『突っ走らない』ことと、親の望む方向へと『誘導しない』こと。

 

私もそうでしたが、これらを本当に親はやりがちで・・・

 

でも、立ち止まるこどもって、敏感で人一倍感受性が強いことが多いため、親の下心をすぐに感じ取り、反抗的態度に繋がってしまうことも。

 

また、話を聴くことは、愛情表現のひとつとも言えます。そのため、質問だけでなく、同時にしっかり本人の話の聴き役をすることも大切。

 

いずれにしても、どのように言葉かけをするか、どんなタイミングで話しかけるかなどを、親はしっかり意識しておくことが必要です。

 

【声かけ例(NG)】

「健康のために、明日から朝は7時に起きるんだからね!」

「仕事を探すのに役に立つから、〇〇の資格を取りなさい」

 

【声かけ例(OK)】

「最近、昼夜逆転がつらそうに見えるけど、どう感じてる?」

「何か興味のあることが見つかったら、いつでも教えてね」

 

このように、社会復帰の支援は本人の自主性を尊重しながら、そっと背中を押すバランスが必要です。

 

※うまくいかない時には、これまでとは違うやり方がおススメ^^こちらの記事に書いています(*^^*)

【関連記事】子どもを黙って見守る方法

 

③ひきこもりの本人を焦らせたり急かしたりする

最後に3つ目は、ひきこもりの本人を焦らせたり急かしたりすること。

 

ひきこもりからの社会復帰を支える第一歩は、本人の空っぽの「エネルギーを貯める時間」を持つことです。

 

親は「早く行動させなきゃ、取り返しがつかなくなる」と焦りますが、行動の前に必要なのは本人のエネルギー。

 

そして、そのエネルギーを貯めるためには、安心してゆっくり心身ともに休める、落ち着いた環境が必要です。

 

と言うことは、どれだけ時間をかけても、その時間をひきこもりの本人が『針のむしろ』と感じていたら、

「自分の気持ちは、ぜんぜん理解されていない」
「親はひきこもりの自分だと、ほんとに受け入れてくれないんだ・・・」

という感覚になって、よけいに心が深く傷付いてしまいかねません。

 

親としては『愛情から』『この子のため』と思っていても、ひきこもりの本人にそれが伝わらなければ、かえって距離を取られる原因にもなって、逆効果!

 

しかも、当然こんな状態では、いつまで経っても『生きる源』となるエネルギーは貯まらない。

 

それどころか、逆に親に抵抗するために、残り少ないエネルギーを使ってしまうことだってありますね。

 

こんな負のスパイラルに入ってしまうと、社会復帰への望みは薄いまま・・・

 

つまり、社会復帰に必要なのは、階段を一段ずつ上がっていくような、スモールステップのプロセスだということを、しっかり意識しましょう。

 

【声かけ例(NG)】

「もういい加減に就職活動しなきゃ。せめてアルバイトでもして!」

「何もしないで家にいて、将来どうするの?」

 

【声かけ例(OK)】

「今日は天気がいいね。ちょっと一緒に、外の空気吸いにいかない?」

「今、あなたがやってるゲーム、面白そうね(*^^*)」

 

このように、焦らせたり急かしたりすることなく、ひきこもりの本人にとって、家の中が決して否定されない、“安心安全な居場所”になっていることが大切なのです。

 

※親の立場で「もう〇〇ヶ月経ったし・・・」という考え方で大丈夫?こちらの記事もおススメです^^

【関連記事】ひきこもりから抜け出すのに必要な時間の考え方

 

はじめの一歩|安全な対話の場を作る

親が社会復帰支援で取り組むべき「はじめの一歩」は、ひきこもりの本人にとっての「安全な対話の場を作る」ことです。

 

なぜなら、批判や指示・命令のない、ただ落ち着いて話を聴いてもらえる場が、傷付きによって硬く閉ざされた本人の心を、少しずつゆるめていくことに繋がっていくからです。

 

実は、多くの親が「何か行動させなければ」と焦りますが、本人の行動の前に必要なのは、親子の信頼関係を取り戻すこと。

 

そして、そのために必須なのが、安心して話せる場を作り、親子で心を通わせ合いながら、ゆっくり話す時間を持つことなのです。

 

この時大切なのは、親が『こどもの立場に立ってみる』こと。

 

あなたがもし、ひきこもりの本人だとしたら、食事中や、リビングでたまたま出くわした親に、いきなり将来の話を切り出されたらどんな気持ちになるでしょうか?

 

おそらく、親のことを『敵』認定して、警戒しちゃいますよね。

 

そこで、まずは天気やテレビ、本人の趣味についてなど、何気ない日常の話題から始めてみるといいですね。

 

その時のポイントは「今日は何してた?」と聞くより、「今やっているゲームどんなの?」のように、本人が自分から話しやすい内容を選ぶこと。

 

実は「今日は何してた?」という聞き方には、親の中に『何でもいいから、この子から情報を引き出そう』『将来につながるようなことをしているか知りたい』などの意識が潜んでいるかも知れません。

 

それだと、わが子にその意図が伝わってしまうことがあって、プレッシャーを与えてしまう可能性も・・・

 

それに対して、本人の興味に沿った質問をしてあげることは、「あなたの存在を大切に思っているよ」「あなたが楽しく過ごせてたらいいな」というメッセージを、伝えることに繋がります。

 

【会話例(OK)】

親:「この前携帯に入れてもらったゲーム、よく分からないの」

本人:「ああ…あれね」

親:「うん、こんなメッセージが出て来て、ここで止まっちゃったよ」

本人:「…しょうがないなぁ。どんなメッセージが出た?」

親:「教えてくれる?嬉しいなぁ^^ほら、これ・・・」

 

このように、ひきこもりの本人にとって、心地いい楽しいやりとりが積み重なれば、やがて親に対して「話しても大丈夫」と感じられるようになり、心の扉が少しずつ開いていくのです。

 

また、信頼関係を取り戻すためには、親から質問攻めにするのではなく、ひきこもりの本人が抱える葛藤や不安に対して、しっかり「聴く」ことがセットなことも、大事なポイントです。

 

こうした親との安全な対話の積み重ねが、本人の自己肯定感を回復させ、次の一歩を踏み出す原動力になっていきます。

 

※何よりも、チャレンジしているあなたは素晴らしい(^^♪こちらの記事もおススメです^^

【関連記事】子どもを黙って見守ることに挑戦しているあなたへ

 

まとめ親が支援のポイントを理解して安心して見守ろう

いかがでしょうか?今日は、「ひきこもりから社会復帰へ|親が避けたいNG対応3選と、はじめの一歩」というテーマでお伝えしてきました。

 

ひきこもりから社会復帰を目指す道のりは、本人にとっても親にとっても、長くて苦しいものですね。

 

親の焦りや心配から、つい出てしまう言葉や行動が、逆に本人を追い詰めて、ひきこもりの回復を遠ざけてしまうこともあるからです。

 

今回ご紹介したNG対応3選は、どれも親の『良かれと思って』からやってしまいがちなもの。

 

でも、だからこそ気づいたその日から、あなたも変えていけるのです。

 

そして、はじめの一歩は「安全な対話の場を作る」こと。

 

これもまた、お金も道具もいらず、今日からでも始められる方法ですね。

 

こうした小さな安心感を積み重ねていくことで、やがてひきこもりの本人の心が癒され、エネルギーが貯まっていくのです。

 

焦って結果を出そうとせず「親子の信頼を育てる時間」こそが、最短の近道。

 

あなたの一言が、わが子の明日の小さな前進につながるかもしれませんね。

 

【関連動画まとめ】

子どもがひきこもりから抜け出すには何が必要?

子どもを黙って見守る方法

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事を書いた人

『カウンセリングルーム いっぽ』代表 平井いずみ
『カウンセリングルーム いっぽ』代表 平井いずみチェンジングカウンセラー®
~ひきこもりという悩みや生き辛さをチャンスに変えてなりたい自分へと導いていく~
《40代、50代女性専門》チェンジングカウンセラー®の平井いずみです。

現在、鹿児島県在住。インターネットを中心に活動していますが、時々屋久島に出没します。

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