「ひきこもりの親は何もしていない?」その言葉の裏側にある現実

こんにちは。
不登校・ひきこもりの母親専門『チェンジングカウンセラーⓇ』の平井いずみです。
「ひきこもってる子に、親が何もしていないなんて信じられない」「親の責任じゃないの?」「何で放っておくの?」
そんな言葉を耳にしたとき、あなたは胸が締めつけられたことはありませんか?
実は私には、高校1年で不登校になり、2年で進級したものの数日しか登校できず、学年末に退学。所属がなくなり、そのままひきこもりだった息子がいます。
その当時、私はこれらの言葉を言われたり、インターネットや掲示板で目にすると、胸がギュッと苦しくなっていました。
だって、息子が長くそんな状態でいた時も、親として出来ることを試行錯誤しながら、あきらめずに行動し続けていたからです。
そして支援者となってからも、私はこれまでにたくさんの『必死で向き合っている親御さん達』と出会ってきました。
実際に多くの親達は、一生懸命に情報を集め、日々わが子との距離感を探りながら、サポートし続けています。
そこで今日は、『「ひきこもりの親は何もしていない?」その言葉の裏側にある現実』というテーマでお伝えしていきます。あなたの心が少しでも軽くなりますように・・・
目次
「ひきこもりの親は何もしていない?」という世間の誤解
それではまず、「ひきこもりの子の親は何もしていない」と誤解されやすいのはどうしてなのかを、お伝えしていきます。
実は、ひきこもりの問題は、家庭の中で起こっているため、外からは状況が見えにくいことが特徴の一つとして挙げられます。
そのため、「あの家の親は何もしてない」「放っておいているんじゃないか」という誤解が生まれやすくなってしまうのです。
でも実際は、同じ屋根の下で一緒に住んでいるからこそ、親自身も悩み、苦しみ、どう接していいのか分からず模索していることがほとんどです。
また、「何かをしなきゃいけない」と焦るあまり、逆にこどもを追い詰めてしまうケースもあるため、なかなか踏み込めないこともありますね。
だからこそ、あえて“何もしないように見えるスタンス”で見守っている親もいる。
実は、それって「何もしていない」のではなく、試行錯誤をした結果「親子関係を壊さないために、あえて動かず口も出さない」つまり、『黙って見守る』というやり方を選択しているということなのです。
※『黙って見守る』やり方について知りたいあなたにおススメの記事です
【参考記事】子どもを黙って見守る方法
「ひきこもりの親は何もしていない?」その言葉の裏側にある現実
それでは、「ひきこもりの親は何もしていない?」と言う言葉の裏側にある現実について、ここから2つに分けてお伝えしていきます。
①ひきこもりの親の見えない“努力”
まず、1つ目は、ひきこもりの親の見えない努力。
今お伝えしたように、ひきこもりの問題は家庭の中で起こっているため、外からは状況が見えにくい。
そのため、親の努力が周囲の人には理解してもらえない傾向が強いのです。
でも、決して親がひきこもりのわが子のことを、心配していないわけではありません。
むしろ、心配で心配でたまらない親が、圧倒的に多いはず。
毎朝、多くの親達は、部屋のドア越しに聞こえるわが子の気配に、ホッとしたり不安になったり・・・
「声をかけたほうがいいのかな」
「でも、下手に声をかけて、前みたいに怒らせるよりは今はそっとしておいたほうがいいかも知れない・・・」
このようにひきこもりの子の親は、わが子への声かけ一つとっても一生懸命考え、悩み、葛藤し、その『一言』に、どれだけの勇気と時間をかけているかは、誰にも見えないからこそ分かってもらえません。
だけど、このプロセスはひきこもりの親子にとってすごく大切で、親だからこそ出来る“努力”だと私は思うのです。
そして、わが子の顔色ひとつで大きく気持ちが揺さぶられ、声掛けによって本人が笑ってくれたら自分も安心し、逆に能面のような反応が続くと胸が締めつけられる・・・
こどもにうまく関われないと「私は母親失格・・・」と、自分を責めながらも、簡単にあきらめることが出来ないからこそ、そっとそばにいようとする。
私もそうでしたが、
「もうこんな生活はイヤ!全てを投げ出して、ここからいなくなりたい・・・」
私たちは、感情のある人間だからこそ、そう考えてしまう日だって当然ありますね。
でも、わが子への想いや、責任感などから
「何とか、この子が立ち直るまでは頑張ろう」
と思う気持ちがあることだって事実です。
そして、この2つの気持ちの中で葛藤し、揺れ動く日々を必死で過ごしている。
そんな親がどれほど多いことか・・・
その葛藤を、何とか乗り越えながら黙って見守り続け、私は息子を自立に導くことが出来たし、あなたも今まさに、わが子のために頑張っているのですよね?
これを「親の“努力”ではない。ひきこもりの親は何もしていない」なんて、誰が言えるのでしょうか?
あなたは自分を「母親失格・・・」なんて責める必要はないのです。
だけど、その努力を周囲の人達にはなかなか理解してもらえないことがまた、親にとってはさらに、辛い状況を生むという現実も・・・
※つい「母親失格・・・」と自分を責めがちなあなたにおススメの記事です
②ひきこもりの親が『黙って見守る』ための試練
次に2つ目は『黙って見守る』ための試練。
ひきこもりの当初は、ほとんどの親たちが、こどもを何とかしようと、ありったけのエネルギーをかけて情報を調べ、思いつく限りの方法を試しながら動いていたはずです。
でも、それらの親の行動は、ただただわが子を苦しめ、不信感を抱かせてしまって、親子関係を悪化させる結果に終わることが多くて・・・
もちろん、私もそうでした。
飴だろうがムチだろうが、使えるものは何でも使いながら、本当にいろんなやり方を模索して、必死に息子をなんとかしようと頑張った私。
でも、どれだけ親である私が動いても、息子は全く動かなかったのです。
それどころか、結局息子から返ってきたのは、反発や沈黙・無視、怒りや涙・・・
こうして、親子関係がどんどん悪化していく現実に、私自身も疲れ切っていく。
そして、やっと私がたどり着いたのが『黙って見守る』という方法でした。
ところが、それまで「思いっきり手出し・口出しをしてきた自分を抑え、黙って見守ること」って、息子に全てを任せること。
それが本当に難しくて、私にとってはまるで『修行僧』にでもなったかのようで。
なぜかと言うと、「息子をどうにかする」という立ち位置から「息子への手出し・口出しを止められない自分自身をどうにかする」という立ち位置へと『180度』真逆に変えることが、私にとってはあまりにも苦しく難しかったからです。
何度も何度も失敗しながら、手出し・口出しを止められない自分を責める時間が続きました・・・
でも、私が息子に対する関わり方を、『黙って見守る』方法に変えてから、息子の現実が少しずつ動き始めたことで、何とか頑張り続けることが出来たのです。
息子が動き出したことで「私の関わり方が、やっぱり間違っていたのかもしれない」と気付き、ますます『黙って見守る』修行をがんばり続け、結果的に自立まで導くことが出来ました。
『黙って見守る』ことは、親にとってはある意味、本当に修行だと、今でも私は感じています。
でも、それを乗り越えるからこそ、親子の新しい未来が開けてくる☆彡
私は、そうとも考えています。
さらに、『黙って見守る』ということは、決して、何もしていないことではなく、もちろん放置でもありません。
『黙って見守る』ことは、その子の力を信じて、手出し・口出ししたい自分を何度も何度も必死に抑える努力を繰り返す、“親の深い愛情の行動”なのです。
※『黙って見守る』やり方で悩んでいるあなたにおススメの記事です
【参考記事】子どもを黙って見守ることに挑戦しているあなたへ
まとめ
いかがでしょうか?今日は、『「ひきこもりの親は何もしていない?」その言葉の裏側にある現実』というテーマでお伝えしてきました。
私がこれまで出会ってきた親御さんたちは、誰一人として“無関心”ではありませんでした。
むしろ、誰よりもわが子を案じ、悩み、苦しみ、そして希望を捨てずに向き合い続けていました。
本当に大切なのは、目に見えるアクションではなく「どんな思いでこどもと向き合っているか」です。
社会や周囲の声に傷つくことがあっても、あなたのしていることには、ちゃんと意味があります。
「ひきこもりの親は何もしていない」
そんな理不尽な言葉に振り回されすぎず、あなた自身の選択を信じてくださいね。
あなたが今までやってきたことは、決して「何もしてない」わけではないのだから(*^^*)
たとえ誰も気付いてくれなくても、ただそばにいて『黙って見守る』という行為そのものの中にある、見えない愛情と努力が、やがてこどもを支える大きな力になります。
だから、自分を責めすぎずにいてくださいね。
そして、あなたの今の頑張りや努力を自分自身で認め「よくやってるね」と、自分に対して声をかけてあげてくださいね。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事を書いた人

- チェンジングカウンセラー®
-
~ひきこもりという悩みや生き辛さをチャンスに変えてなりたい自分へと導いていく~
《40代、50代女性専門》チェンジングカウンセラー®の平井いずみです。
現在、鹿児島県在住。インターネットを中心に活動していますが、時々屋久島に出没します。
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