ひきこもりのこどもへの対応、どうすればいい?と悩んだ時のヒント集
こんにちは。
《40代以上女性専門》あなたのひきこもりという悩みをチャンスに変えて、
ひきこもりのお子さんがいる家庭では、本人だけではなく、親もある意味当事者として、いろんな関わりが必要になってきます。
そこで今日は、ひきこもりのこどもへの対応、どうすればいい?と悩んだ時のヒントになるように、具体的なNG行動や望ましい対応方法などについてお伝えしていきます。
目次
こどものひきこもりを改善するために1番大切なこと
まず、前提として、こどものひきこもりを改善するために1番大切なことをお伝えしていきます。それは、これから先の未来に視点を向けること。
私たち親は、こどもがひきこもってしまうと「いったい何が悪かったんだろう?」と、その原因を探し、それを排除しようとすることに注意を向けがちです。ところが、ひきこもり状態になるにはさまざまな要因や理由があるだけではなく、それらのいくつかが重なって起きることもあります。
たとえば、学校や職場でのいじめやハラスメントが原因のこともあれば、人間関係に傷付き意欲を失ったり、何かに挫折をして立ち上がれなかったり、何をするにしても自信をなくして動き出せなかったり、頑張りすぎてエネルギーが無くなってしまったり・・・
あるいは、うつ病や適応障害、発達障害などの精神疾患が潜んでいる場合もあるかもしれません。また、実は本人にもその原因がわからない、なんてこともありますね。
と言うことは、そんな不確実なところにあなたの貴重な時間やエネルギーを使うよりも『これから先に向かって今どうすればいいのか』に視点を向ける方がはるかに大切です。このことを、まずはしっかり意識しておきましょう。
ひきこもりのこどもにやっていはいけない対応
それではここから、ひきこもりのこどもにやってはいけない対応を、3つに分けてお伝えしていきます。
①ひきこもりのこどもを無理やり外に出そうとする
まず1つ目は、ひきこもりのこどもを無理やり外に出そうとすること。
本人の気持ちを考えずに強硬な手段に出ることは、やめた方が無難です。たとえ親には理由が分からなくても、まったく外出せず家にひきこもり状態で過ごしているということは、本人にとってはそうせざるを得ないくらい心が傷付いていると考えられますね。
そんな状態のこどもを強制的に外に出すことは、よけいにストレスや不安を与え、状況を悪化させてしまうことにもなりかねません。本人は、私たち親が考えている以上に、外の世界に対して怖さや拒否感を抱いていることが多く、無理に外出を強いることで親子の信頼関係が一気に崩れてしまうことすらあるのです。
そのため、こどもの回復状態によって、時には「天気がいいから一緒に散歩しない?今日は外の空気がとっても気持ちいいよ~」などの声掛けをするのはありかも知れませんが、基本的には本人が自分のペースで外に出る準備が整うまで、焦らずに待つことが大切です。
②ひきこもりのこどもに親の期待を押し付ける
続いて2つ目は、ひきこもりのこどもに親の期待を押し付けること。
親からの過剰な期待はこどもにとって大きなプレッシャーとなり、それ自体がひきこもりの原因や悪化につながってしまうことも・・・
ただでさえ、彼らはすでに多くの不安やストレスを感じています。そこに、さらに親からの期待に応えようと無理をして、頑張りすぎてしまうかも知れません。しかも、思うように親の期待に応えられないと、自己否定感を強めてしまうこともありえますね。
親の期待が、こどもにとってプラスに働くことはもちろんあります。
ただ、こどもがひきこもり状態なのだとしたら、現状ですでに本人のキャパシティを超えてしまっている可能性があるのです。それを踏まえて、こどもに、よりストレスを与えてしまうような過剰な期待はしないように、しっかり意識しておきましょう。
③ひきこもりのこどもへの過保護・過干渉を手放す
次に3つ目は、ひきこもりのこどもへの過保護・過干渉を手放すこと。
実は私には、5年以上ひきこもりだった息子がいます。そして、その息子に私がやっていたのが、まさにこれ!
私の中には、自分でも気付かないうちに刷り込まれていた『理想の母親像』が強固に根付いていたのです。それによって、私はこどもの世話をすればするほど『良い母親』なのだと勘違いしてしまっていて(-_-;)それが、息子への過保護・過干渉に繋がっていました。
たとえば、以前の私は・・・
・こども達に対していつまでたっても自分と『一体化した存在』と考えてしまい「あれしなさい」「これをしてはダメ」など、彼らのやることなすことにいちいち口出しをする。
・こども達が失敗しないように、先回りして対処する。
こんなことばかりをやっていたのです(-_-;)
でも、息子のことで悩んだのをきっかけに始めた心理等の学びのおかげで、良かれと思って私のやってきた過保護・過干渉が、逆に息子の『考える力』や『自立心』を奪っていた可能性があることに気付けました。
子育ての究極の目標は、こどもを自立させること。
そのために、親は、こどもがいくつになっても世話を焼き、本人の前を先導するのではなく、年齢や必要に応じてこども自身が歩いて行くのを後ろから見守る態勢をとるようにする。このように、親としての立ち位置を意識して変えていく必要があるのです。
まずは、あなた自身がこれまでの子育ての中で『過保護・過干渉』だったかどうかを、振り返ってみて下さいね。意識すれば、変えられます。私と一緒に『良い母親』をやめて、過保護・過干渉を手放しましょう(*^^*)
ひきこもりのこどもへの望ましい対応
それでは、ここからは、ひきこもりのこどもへの望ましい対応について、4つに分けてお伝えしていきます。
①ひきこもりのこどもの気持ちに寄り添う
まず1つ目は、ひきこもりのこどもの気持ちに寄り添うこと。
本人の「ひきこもり」という目に見える「状態」に焦点を当てるのではなく、こどもが「どう思っているのか」「何に対して不安や恐怖を抱いているのか」などの目には見えない「気持ち」を、自分なりに理解しようとする親の姿勢が大切です。
そのためにも、こどもが話しやすい環境を作ることを心掛け、無理やり話を聞き出そうとする(つまり訊問・・・)のではなく、本人が自分から話したいと思えるような雰囲気作りを意識しましょう。
親がしっかり話を聴き、こどもの気持ちを受け入れることで、こどもは自分の気持ちを分かってもらえ、受け入れられていると感じることができるのです。これが、親子の信頼関係再構築に繋がって、こどもが次第に外の世界に対して安心感を持つようになっていくのです。
そうすると・・・
かたくなに家に居続けていたひきこもりのこどもも、外に出てみようとする気持ちが少しずつ芽生えてくるはずです。
ほら、幼児の頃の公園デビューを思い出してみて下さい。こどもって、ベンチにあなたがいるのを振り返って確認しながら、少しずつ遊ぶ範囲を広げていっていたでしょ?そんなイメージですね(*^^*)
②ひきこもりのこどもに小さな達成感を持たせる
続いて、2つ目は、ひきこもりのこどもに小さな達成感を持たせること。
ひきこもりのこどもは、『みんなと同じこと』が出来ない自分に対して、強い否定感や劣等感を持っていることが多いです。そのため、彼らが小さな達成感を積み重ねていくことは、本人の気持ちをポジティブに変化させるためにとても重要になってきます。
もちろん、最初から大きな目標を目指すわけではありません。まずは、日常生活の中で自分がストレスにならない程度の小さな目標を設定し、それを達成しながら少しずつ『できた自分』を肯定する体験を積み重ねていくのです。
たとえば、部屋の掃除をする、短い時間でも散歩に行く、何か家事をするなど、こどもの現状に沿い、本人にとって無理なく取り組めることから始めるといいですね!そうすれば、これらの小さな成功体験が本人に達成感を与え、自信を取り戻すきっかけになっていくはずです。
ちなみに我が家の場合は、私の転職をきっかけに息子にSOSを出したことで、彼が晩ご飯づくりを引き受けてくれました。仕事から帰ると、なんと息子が作ってくれている晩ご飯がある!夢のような日々でした。もちろん、昼夜逆転をしていて生活リズムが崩れていたこともあり、晩ご飯が出来ていない日もありましたが(笑)
息子が作ってくれた晩ご飯を家族で一緒に食べた時には、私たち夫婦は「うれしいなぁ」「おいしいよ」「ありがとう」と、自然と息子に感謝を伝えていました。こうやって、息子が『家族の役に立っている』と実感できたことが、彼のひきこもりからの脱出への大きな一歩となっています。
と言うのも・・・
驚くことに、この晩ご飯づくりを始めてから1年足らずで、息子は本格的にアルバイトを開始!そして、専門学校に入り、社会人へ・・・と、彼のペースでしっかり自立していったのだから(*^^*)
このように、ひきこもりのこどもにとって、小さな達成感を持たせることは、本当に大きな意味のあることだと私は感じています。そして、それを親がしっかり認めること。感謝すること。これが大切です。
※詳しい経過を知りたい方は、以下の記事をどうぞ^^
【参考記事】
③ひきこもりのこどもとの信頼関係を築く
次に3つ目は、ひきこもりのこどもとの信頼関係を築くこと。
ひきこもりのこどもの回復は、本人だけに任せておくのではなく、親も当事者として関わっていくことが大切です。そのためにはまず、親がこどもに信頼してもらう必要があるのです。
「えっ?私がこどもに信頼してもらうって、いったいどういうこと!?」
あなたは今、そう思ったかもしれませんね。だって、信頼できないのはひきこもっちゃっているこどもの方なんだから!もちろん私も、以前はそう思っていたのです。
でも、まず頭に入れておいていただきたいのは、こどもがひきこもっている場合、親自身がこどもを信頼できないと思っているのと同時に、こどもも親を信頼していないと考えた方がいいということ。つまり、親子の信頼関係が全くない状態なんです。これでは、一緒に協力などできません。
そこで大切なのが、こどもとの信頼関係を再構築するために、まずは親が『こどもに信頼してもらえるような親になること』なのです。
実は、本当に驚きましたが、私自身息子に「前のお母さんは嫌いだった」と言われたことがありました(涙)でも、冷静に考えてみるとそうですよね。勝手に期待を押し付けられ、過保護・過干渉で、何から何まで口出しをされる。これでは、窮屈で、親が嫌いになるのも当たり前です。
だって、誰かに私がそうされたら本当に嫌だもの!
つまり、親だからといって、こどもに対して何でもやっていいわけではありません。親とこどもは、別々の存在なんです。こどもにはこどもの人格があり、こどもなりの考えがある。
だからこそ、まずは親が、こどもに信頼してもらえるように自分を変えていく必要がある、と私は考えています。
そのためのポイントは、
・親の心配や不安から、先回りしてあれこれ口や手を出さない
・本人の意思を尊重し「こうしたい」と動き出したときには応援する
このように、こどもを後ろから見守っていられる自分になっていくことが、こどもとの信頼関係を再構築するためには不可欠です。
④ひきこもりのこどもが安心して過ごせるような環境を整える
最後に4つ目は、ひきこもりのこどもが安心して過ごせるような環境を整えること。
ひきこもりになるこども達は、真面目で優しくて敏感な子が多いと言われています。つまり、家庭内の雰囲気や親の気持ちを、するどく察知することが得意だったりするのです。
そのため、家族が自分のことを否定的な目で見ていると、それを察知して部屋から出てこないとか、家族とは顔を合わせないよう時間調整をするなんてことも・・・あなたのお子さんは、どうでしょうか。家の中で、自由に過ごしていますか?
ひきこもりになっているということ自体、本人にとっては、ひどく心が傷ついている可能性がありますね。その傷を癒すためにひきこもっていても、家の雰囲気が自分に対して敵対していると感じてしまう状況では、本人はなかなかエネルギーを貯めることができません。
そうすると、残念なことに何も変わらない状態で、時間だけがただ過ぎていくことになってしまう(-_-;)
だから、今、こどもが家にひきこもっているのなら、親もそれを認め、本人にとって必要な充電期間と受け取り、温かく見守ってあげることが大切です。『急がば回れ』という言葉がある通り、十分にエネルギーを貯められたこどもは、自分から外に向かっていく元気が出てくるはずです。
このように、親としてはまず、こどもが少しでも安心してエネルギーを貯められる環境を整えた上で、外に出ることのメリットや楽しさを少しずつ伝えていけたらいいですね。
ただし、この時に前項でお伝えした『親子の信頼関係』が築けてないと、これがこどもにとっては「説教」と受け取られてしまうため、しっかりタイミングには気を付けましょう。
ひきこもりのこどものことで専門家に相談するタイミング
ひきこもりのこどもを持つ親として、いつ専門家の助けを借りるべきかを判断するのは難しいのではないかと思います。「自分たち家族でなんとかしないといけない」とか「こどものひきこもりがバレるのは世間体が悪い」など、色んなことが頭に浮かんできて、実際、当時の私もとても悩みました。
ただ、過去9500件以上の相談を受けてきたプロの立場で考えると、タイミングやお子さんのひきこもりの状況によっては、専門家の支援を検討したほうがいいケースもあります。そこで、ここから3つのパターンをお伝えしてみます。
①ひきこもりのこどもの状況が悪くなっている
まず1つ目は、こどもの状況が悪くなっている場合。
親が一緒に暮らしていると、こどもの状態はよく見えていますよね。そこで、ひきこもりの状況が悪くなっていると感じた時は、専門家の助けを借りたほうがいいタイミングなのかも知れません。
たとえば、
・家の中では自由に元気に過ごしていたのに、自分の部屋から出てこなくなった。
・家族との会話がなくなった
・家族の関わりを避けるようになった
このように、ひきこもりの状況が悪くなったと感じるときには、自分たちだけで考えるのではなく、専門家に相談するのも大切です。それによって、新しい光が見えてきたらいいですね。
②ひきこもりのこどもに健康面での不安が出て来る
次に2つ目は、こどもに健康面での不安が出てくる場合。
ひきこもりのこどもは、生活が不規則になり、食生活や睡眠がうまくとれなかったりします。そのため、メンタル面だけではなく、身体的な面でも健康不安が出てくる可能性がありますね。
そこで、うつ病、適応障害などのメンタル的な不安の兆候がみられる場合や、腹痛や頭痛・腰痛などの症状がある場合は、受診のタイミングかも知れません。
③ひきこもりのこどもへの対応に親が限界を感じている
最後に3つ目は、こどもへの対応に親が限界を感じている場合。
親がどれだけ努力してもこどもの状況が改善しないと無力感を感じ、親自身がストレスや疲労でメンタルを病んでしまうこともあります。
実際私も、メンタルを病んで息子と一緒にひきこもり、家で寝てばかりいた時期もありました。とは言え、この頃の私は、完全に『やってはいけない対応』を息子のためと思ってやりまくり『自滅』していたことが、今ならよ~く分かります(;’∀’)
ただ、これって、当時の私にはまったく気付けなかったこと。
だから、自分の対応が、こどもにとって間違っていないかどうかを知ることが、とても重要になってきます。そのために、客観的な視点を持つ専門家に相談することは、とても大きな意味を持っているのです。
そこで、あなたが今、こどもへの対応に限界を感じているなら、専門家の支援を受けることも視野に入れてみましょう。親自身の体調を整えることだって、こどもをサポートするためには必要なのです。
まとめ
いかがでしょうか?今日は、「ひきこもりのこどもへの対応、どうすればいい?と悩んだ時のヒント集」というテーマでお伝えしてきました。
不登校から、5年以上自宅にひきこもっていた息子がいる母親としての立ち位置と、支援者としての立ち位置。私は、このどちらも経験しています。だからこそ、あなたに伝えたいこと。
それは、親自身が元気でいることの大切さです。
「もうあなたは、十分にお子さんの面倒を見て来たのではありませんか?」
これは、当時の私が、カウンセラーに言われた言葉です。その言葉を、私もあなたに贈りますね。親が人生を楽しむ様子をこどもに見せること。これは、すごく大切です。
これまでの自分の体験だけでなく、今まで支援する立場として関わってきた事例を通してみても、親のあり方はこどもに大きく影響すると、私は感じています。親が自分の人生を、ラクに楽しく生きられるように変わることが出来れば、それによってこどもも少しずつ元気を取り戻していけると信じています。
つまり、親の変化が先に来るということですね!
そのため、今まで何をやってもこどもの状態が変わらなくて悩んでいるのなら、やり方を少し変えてみませんか?まずは、自分から始めましょう。あなたに何ができるかを考え、行動していきましょう。
あなたが1日も早く、今、抱えている悩みから解放されることを願っています。
いつでも私は、あなたを応援しています♪
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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《40代、50代女性専門》チェンジングカウンセラー®の平井いずみです。
現在、鹿児島県在住。インターネットを中心に活動していますが、時々屋久島に出没します。
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ひきこもりという悩みから抜け出すには、どちらの場合においても、まず自分自身が自由になることが必要です。そのために大切な視点が「女性としての役割」や「女らしさ」への囚われ。それが「こうしなきゃ!」と、自分で自分を追い詰めてしまうことに繋がっているからです。
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