なぜ性別でひきこもりの割合に差が生じるのか
こんにちは。
《40代、50代女性専門》
ひきこもりという悩みをチャンスに変えて、
チェンジングカウンセラー®の平井いずみです。
このブログを読んでいただいているということは、もしかしたらあなたの身近には、ひきこもり状態の方がいらっしゃるのでしょうか?
そしてそれは、男性ですか?
それとも、女性ですか?
どちらにしても、心配ですね・・・
実は私の息子も、高校1年の時に学校に行き辛くなり、高校2年の3月で退学。
2年で、最初の数日しか登校しなかったため、高校在籍中も含め5年以上のひきこもりを経験しています。
実は、男性と女性でひきこもりの割合に大きな差があることを、あなたはご存じでしょうか。
ちなみに、我が家の場合ひきこもっていたのは息子なので男性。
また、私の周りにもひきこもりのお子さんのいる方がいますが、息子さんが多いんですね。
つまり、男性が多いということ。
それが私としては、何だか不思議だったのですが、ジェンダーの視点を知ったことで納得出来ました。
そこで今日は、なぜ性別でひきこもりの割合に差が生じるのかというテーマでお伝えしていきます。
目次
ひきこもりの定義
まず初めに、改めてひきこもりの定義を確認しておきますね。
様々な要因の結果として社会的参加(義務教育を含む就学、非常勤職を含む就労、家庭外での交遊など)を回避し、原則的には6ヵ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態(他者と交わらない形での外出をしていてもよい)を指す現象概念である。
なお、ひきこもりは原則として統合失調症の陽性あるいは陰性症状に基づくひきこもり状態とは一線を画した非精神病性の現象とするが、実際には確定診断がなされる前の統合失調症が含まれている可能性は低くないことに留意すべきである。
【出典元】内閣府 令和元年版 子供・若者白書
この定義は、令和元年版 子供・若者白書の『特集2 長期化するひきこもりの実態』から引用したものです。
そして、ひきこもり状態とは、自分の部屋や家から出ないという方だけではなく、趣味の用事や近所のコンビニなどには外出したりする方のことを含んでいます。
なぜ性別でひきこもりの割合に差が生じるのか
それでは、どうして性別によって、ひきこもりの割合に差が生じるのでしょうか?
まず、令和元年版 子供・若者白書の『特集2 長期化するひきこもりの実態』から、ひきこもりの男女比を見ていきましょう。
平成30年度に内閣府が行った、満40歳から満64歳までの者を対象とするひきこもりの実態調査の結果では、「男性」が76.6%、「女性」が23.4%で、男性の割合が高くなっています。
また、平成27年度に満15歳から満39歳までを対象に実施したひきこもりの実態調査の結果では、「男性」が63.3%、「女性」が36.7%と、やはり男性の割合が高くなっています。
どちらの調査も、男性の割合の方が高いことが分かります。
他にも、ひきこもりは男性の割合が高いという統計結果が様々な調査で出ています。
ということは、統計上では女性の方が割合的に少ないということですよね。
それは、どうしてなんでしょうか?
それではここでは、男性の立場と、女性の立場の両方から考えていきますね。
実は、そのヒントになるのが、『男は仕事、女は家庭』という性別役割分担意識です。
あなたも、この言葉を聞いたことがありませんか?
これは、性別によって、男性には男性の期待される役割、女性には女性の期待される役割がある、とする考え方です。
女性の場合は潜在化している可能性がある
まず、女性の立場から考えていきましょう。
女性のひきこもりは、実は潜在化している可能性があります。
潜在化傾向の一番の要因は、専業主婦や家事手伝いがカウントされず、数字として表面化していないということです。
先ほどの2つの調査結果から、女性同士の割合をちょっと比較してみますね。
対象者が、満40歳から満64歳までの調査結果の割合は、23.4%。
対象者が、満15歳から満39歳までの調査結果の割合は、36.7%。
つまり女性の場合は、年齢の高い調査の割合が、年齢の低い調査の割合より、13.3ポイント低くなっています。
これはまさに、性別役割分担意識で考えてみると、分かりやすいですよね。
結婚して専業主婦になっている人の割合は、年齢が高くなるにつれて多くなっていくのですから。
その場合、専業主婦だとひきこもりの数値として出てこないなら、当然年齢の高い調査の割合は低くなるわけです。
女性は、もともと『女は家庭』という考え方のもと、家の中で家事・育児・介護などのケア役割を担当する者、という役割が与えられていました。
それはつまり、外に出なくてもあまり目立たないということなんですね。
今は、買い物も自宅でネットを使えば、簡単に出来る時代です。
家で家事をしていることになっているから、外に出てこなくても不自然ではない。
でも、実際に家の中で何をしているのかは、分からないのです><
本当は社会とつながっていない状態であっても、専業主婦や家事手伝いという言葉が、隠れ蓑になってしまうこともあるのです。
また、社会問題にもなっているパートナーからのDVもありますね。
社会的隔離と言って、他者とのつながりを遮断され、外出を制限されている状態を余儀なくされている。
あるいは、経済的暴力と言って、自分の自由になるお金が無いために外出することが出来ない、という場合もありますよね><
こうして考えてみると、専業主婦とひとくくりで判断することの難しさが分かるのではないでしょうか。
このように、背景まで考えていくと、本当にいろんなパターンが見えてくると思います。
男性の場合は顕在化しやすい
次に、男性の立場から考えていきましょう。
男性のひきこもりは、女性とは逆に、分かりやすく顕在化しやすい状況があります。
それは、男性には外で働くことが期待される役割としてあるからです。
先ほどの2つの調査結果から、今度は男性同士の割合を比較してみましょう。
対象者が、満40歳から満64歳までの調査結果の割合は、76.6%。
対象者が、満15歳から満39歳までの調査結果の割合は、63.3%。
この結果を見ると、男性の場合は、年齢の高い調査の割合が、年齢の低い調査の割合より、13.3ポイント高くなっています。
これもまさに、性別役割分担意識で考えてみると、分かりやすいですよね。
たとえば、40代・50代の男性が、昼間に買い物をしたり、のんびり散歩したりしているのをしょっちゅう見かけていると、あなたはどう感じるでしょうか?
働くことが、当たり前と期待されている男性。
だからこそ、失業や退職などで働けなくなった時に起こること。
当然その人は、もう辞めているので会社に出勤しないわけですね。
ところが、そうなると
「最近あそこの人、出かけないわね」
「それって、仕事をしていないってこと?」
「じゃ、働かずに家にいるの?」
「いい年した男性が、いったい家で何してるのかしら・・・」
近所の人たちのこんな会話が、聞こえてくる気がしませんか(;’∀’)
それを避けるために、より家の中にこもりがちになる。
そういう行動をしたくなる気持ちって、私は女性ですが何となくわかります><
そういう意味では、女性よりもはるかに男性の方が、ひきこもりになりやすい状況に置かれているということがわかると思います。
このように、実際男性が働かずに家にいることに対しては、かなり厳しい目が向けられてしまう現状があるのです。
・働いて家族を養ってこそ、一人前の男だ。
・辛くても逃げずに、最後まで頑張ってこそ男だ。
・男なら強くなくては!弱音を吐いてはいけない・・・
さらに、こんなことを刷り込まれている男性自身も、仕事を辞めたことで自分をダメな役立たずと感じている可能性だってあるのです><
そして、外に出ていけなくなる。
しかもこの年代の男性は、仕事一筋で働いてきているケースが多いですよね。
そうすると、地域やボランティア、サークルなどといった、職場以外のつながりがほとんどありません。
その結果、退職や失業などによって職を失うと、所属するコミュニティが他に無いため、人間関係自体が途絶えてしまうことにもなりかねません。
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いかがでしょうか?
今日は、なぜ性別でひきこもりの割合に差が生じるのかというテーマでお伝えしてきました。
私たちは、日々生きる中で、実は
『男性だからこうあるべき』
『女性だからこうあるべき』
という、性別による偏見によって、苦しんでいることがあるのです。
それが、『ジェンダーという視点』を持つことです。
自分のその苦しさに、気がつくかどうか。
その苦しさに気がついた時に、あなたがどうするか。
その選択によって、あなたの人生も大きく変わっていくと、私は考えています。
あなたは、苦しくありませんか?
あなたが1日も早く、ひきこもりという悩みから解放されることを願っています。
いつでも私は、あなたを応援しています♪
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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この記事を書いた人
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《40代、50代女性専門》チェンジングカウンセラー®の平井いずみです。
現在、鹿児島県在住。インターネットを中心に活動していますが、時々屋久島に出没します。
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