不登校の子に怒ってしまうあなたへ|“もう繰り返さない”3つの方法

こんにちは。
不登校・ひきこもりの母親専門『チェンジングカウンセラーⓇ』の平井いずみです。
「今日こそは怒らないでおこう!」
と決めたのに、朝、こどもが布団から出てこない姿を見ると、つい口から出ているのは
「いつまでそうしてるの?」
「このままで、学校はどうするの!?」
一方、こどもはこどもで、
「どうせ分かってもらえない」
「何を言っても聞いてくれない」
という絶望感から、無言のまま“部屋”と”心”のドアを閉めてしまう。
そして、不登校のわが子を感情的に怒って責めたことで、後悔が押し寄せてきて・・・
「またやってしまった」と、自分を責める。
あなたは、そんな日々を過ごしていませんか?
実は私自身も、まったく同じ経験をしてきました。
息子が、高校1年の夏休み明けに不登校になったばかりの頃、私は毎日のように息子に、
「学校に行きなさい」「このまま不登校が続いたら、世間に顔向けができないじゃない!」などと言っては責め、
「この子を何とかしなくちゃ!」と、なりふり構わず怒ってしまっていたのです。
それは、自分の中の“このままではダメになる”という恐怖を、どうしても抑えきれなかったから・・・
でも、息子を登校させるのに必死だった私は、その自分の怒りが、息子との関係を少しずつ壊していくことになるなんて、当時は思いもしなかった。
そこで今日は、「不登校の子に怒ってしまう母親」である、あなたが抱える本当の感情に寄り添いながら、もう同じことを繰り返さないための3つの方法をお伝えします。
あなたの心が少しでも軽くなりますように・・・
目次
どうして不登校の子に怒ってしまうのか
そもそも、どうして私たち母親は、不登校のわが子に怒ってしまうのでしょうか?
その背景にある3つの可能性について、まずはお伝えしていきます。
あなた自身は、当てはまっているでしょうか?
①「分かってほしい」という気持ちがすれ違うから
1つ目は、親子それぞれの「分かってほしい」という気持ちが、すれ違ってしまうからです。
それは、親子の間で「理解してほしい」という、それぞれの願いがあるからですね。
不登校のこどもは・・・
「つらい」「学校に行けない自分を分かってほしい」と思っています。
一方、親は親で・・・
「私も頑張ってる」「あなたのために、何とかしようとしていることを分かってほしい」と思っています。
つまり、どちらも自分にとっての「分かってほしい」があるということ。
でも、お互いにその気持ちが相手に届かないまま、言葉だけが暴走してしまうのです。
だからこそ、少しでもズレが起きないように、丁寧なコミュニケーションが必要なのですが、実は、関係性が近いほどコミュニケーションを取ることが難しくなってくる。
それは、お互いに「言わなくても分かってるでしょ?」という『以心伝心』という考え方が、私たちの中に根付いているからです。
でも、現実は違う。
お互いに別人格なのだから、コミュニケーションギャップが起きるのは当たり前。
そこで、怒りは親子の“伝わらなさ”から生まれている可能性があることを、しっかり意識していてくださいね。
※コミュニケーションのズレが起きるのはどうしてか、その対策について知りたいあなたにおススメの記事です(*^^*)
【関連記事】コミュニケーションを上手くとるためのコツ
②「怒り」は、「不安」のサイン
2つ目は、不登校のわが子への「怒り」は、「不安」のサインだからです。
実は怒りという感情は、“氷山の一角”にすぎません。
つまり、見えない部分には無数の感情・・・
特に、「このままじゃダメになる」「どうしていいかわからない」といった、恐れや不安などが隠れていることが多いのです。
私自身、息子に対して怒っていたとき、心の奥ではこう叫んでいました。
「お願いだから、元のあなたに戻って!」
「さっさと学校に行って!」
「このままだと将来が大変なことになるよ。どうするの?」
怒りとは、わが子に対して生じてくる、私たち母親の“心の断末魔”なのかもしれませんね。
※「元のあなたに戻って!」ではないことを伝えている、あなたの発想の転換のためにおススメの記事です(*^^*)
③世間の“ふつうという物差し“に縛られていたから
3つ目は、世間の”ふつうという物差し”に縛られていたからです。
息子が不登校になった当時、私は「彼を何としてでも登校させなきゃ」と考えていました。
だから、毎朝部屋に入っては「もう遅刻するよ!」「いつまで寝てるの!」と責め立てていたのです。
時には、起きてこない息子を、ベッドから引き摺り下ろしたこともありました(涙)
当時の私が息子にそこまでしてしまっていたのは、「こどもは学校に行くのがふつう」「勉強しないと将来困る」と、頑なに信じ込んでいたから。
また、強固に刷り込まれていた「母親なんだから頑張らなきゃ」という考えが、無意識に発動していてたこともあります。
ところが、その“ふつう”を守らせようと私が必死になればなるほど、息子はどんどん笑わなくなり、私も苦しくなっていって・・・
今振り返ると、私の怒りの根っこには“世間のふつうというレールから外れることへの怖さ”がありました。
しかも、その奥にはさらに、“息子のため“と言いながら、実は私自身が“周りからどう思われるか”というエゴまで潜んでいて・・・
そうです!
それは、息子が不登校では、私が『良い母親』ではなくなってしまうという恐怖。
だけど、息子が『本当に死にたいくらい苦しかったんだ』と分かった時、初めて私は「息子の人生は、息子の時間で進んでいい」と思いました。
その出来事があって、やっと、私のエゴやプライドなんかよりも、息子の命を守る方がどれだけ大切なのかに気付き、親として腹をくくれたのです。
もしかしたらあなたの中にも、私のように、世間の”ふつうという物差し”に縛られていることがありませんか?
※私が腹をくくれた出来事について知りたいあなたにおススメの記事です(*^^*)
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怒りを手放したあとに起きた私の変化
ここからは、私が自分の価値観を広げながら怒りを手放した後に起きた、さまざまな変化についてお伝えします。
「もう息子を怒っても、何も変わらない」
「むしろ変える必要があるのは、私の価値観」
息子とのバトルの末、私はそんな結論に行き着いたのです。
なぜかと言うと、私の中にある「良い母親」と同時に、私の価値観に沿った「理想のこども像」まであったから。
その「理想のこども像」が、まさに「ふつう」に学校に行き、「ふつう」に就職して、「ふつう」に自立すること。
だからこそ私は、そこからはみ出てしまった息子を許せずに、何とか元の状態に戻そうと必死だったのです。
そこに気づいた日から、私は“息子を動かそうとする”のをやめました。
もちろん、すぐにその思いを手放せたわけではありません。
意識しながら、試行錯誤しながら、諦めずに地道に努力し続けただけです。
とは言え、これまで何十年も持ち続けてきた価値観です。
それを上書きしていく痛みに耐えられず、泣いたことだって、数えきれないほどありました。
そんなに辛くて苦しいのに、どうして私が、自分の価値観を上書きしていくことをやめなかったのか。
それは、息子のことで怒らずに済むことがどれだけ楽なことなのかを体感していけたからです。
すると、不思議なことに、息子との関係性も少しずつ変わってきて・・・
それが私は、本当に嬉しかった。
そして、私へのそんなご褒美があったからこそ、この苦しい作業をひたすらやり続けられたのです。
つまり、変わったのは息子ではなく、彼に当てはめていた私の“価値観”と、彼への私の”まなざし”でした。
“ふつう”を追いかけていたときは、冷たく厳しい監視だったまなざしが、少しずつやわらかくなっていくのを自分でも感じました。
こどもは、母親の“変化”を敏感に感じ取ります。
だから、その雰囲気や空気感から、
「そのままの自分が、親から受け入れてもらえている」
そう感じることで、息子は私への警戒心を緩めてくれたのだろうと考えています。
怒りを手放すことは、あきらめではなく、わが子の力を“信じる”ことにつながっている。
そして、親子の信頼関係を取り戻す魔法だと考えています^^
※息子への私のまなざしが変化していったプロセスを、詳しく知りたいあなたにおススメの記事です(*^^*)
【関連記事】ひきこもりの息子に対する、私のまなざしの変化
怒りを繰り返さないための3つの方法
私たちは、怒りを完全に「なくす」ことはできません。
でも、怒りに流されない方法はあります。ここからは、紹介する3つのステップです。
①こどもの言葉よりも、行動や背景を観察する
1つ目は、こどもの言葉よりも、行動や背景を観察すること。
私たち母親も人間だから、こどもが投げつけてくる言葉で、心にとげが刺さり、深く傷つくこともありますね。
「うざい!」「ほっといて!」「どうせ分かんないくせに!」「黙れ!くそばばぁ!」
そんな言葉の鋭さに、胸は痛み、怒りが込み上げてくる。
でも、本当はその暴言の裏には
「苦しい」「助けて」「分かってほしい」という叫びが隠れていることもあるのです。
・言葉の表面だけを受け取るのではなく、「なぜ、今この言葉を選んだのか?」と想像してみる。
・この子が部屋にこもるのは、実は“無気力”ではなく、自分の心を守るための防衛手段なのかもしれない。
・あの無愛想な態度も、“拒絶”ではなく、あの子なりの“精一杯の距離の取り方”なのかもしれない。
こうしてあなたが、わが子の言葉の奥にある「行動」や「背景」を観察していくと、こどもの見えなかった気持ちが、何となくイメージできてくる。
それって、あなたがわが子を「問題」としてではなく、「ひとりの人」として見つめ直す、新たな視点を手に入れられたということ(^^♪
※子育ての中でわが子に「正しさ」を押しつけてきたか、それってどういうことかを知りたいあなたにおススメ(*^^*)
②怒りを受け止める
2つ目は、あなた自身の怒りを受け止めること。
私もそうでしたが、
「なんでこんなに怒ってしまうんだろう・・・」
そう自分を責めてしまうお母さんは、とても多いです。
でも“怒り”は、わが子を思う気持ちがあるからこそ生まれる感情。
「ちゃんと学校に行ってほしい」
「このままでいいの?」
という不安や焦りが、形を変えて出てくるだけなのです。
だからまずは、あなたの中の怒りを否定せず、
「私は今、不安で不安でたまらないんだ」と気づいてあげてくださいね。
無理に怒りを抑え込もうとすると、あなたの心はさらに苦しくなっていきます。
だけど「私はこの子を守りたかったんだ」と自分の思いを見つめ直すことで、“やさしさ”が戻ってくる。
だから、怒りを「悪者」にせず、「サイン」として受け取ってみてください。
そこから、わが子にも自分にも、少しずつ優しいまなざしで見守れる“新しい私”への第一歩が始まります。
※実はあなた自身も“蝶”になる前のサナギかもしれません。今、本当に苦しいあなたにおススメの記事です(*^^*)
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③感情を整えて、言葉を選び直す
3つ目は、自分の感情を整えて、言葉を選び直すこと。
怒りが落ち着いたあと、私たちはようやく“本当に伝えたかったこと”に気づくのです。
「あなたが大切だよ」
「大丈夫だよ」
「お母さんも一緒に考えたい」
でも、怒りに包まれて興奮しているときには、こんな言葉は出てこないものですね。
逆に、本当は怒っているのに、それを抑えてこんな言葉をかけたとしても、そんな言行不一致な状態で発した言葉は、敏感なこどもの心には届きません。
そこで大切なのは、感情を整えること。
だから、『自分の心を立て直す時間』を、しっかり確保してくださいね。
深呼吸をする、コーヒーを淹れる、短い散歩をする。
ペットと戯れて、気持ちを落ち着かせる。
ほんの数分でも、自分を優先してやさしくケアしてあげることで、心のざわつきが少しずつ治まっていくはずです。
そして、気持ちが落ち着いたときに、改めてこどもの目を見て
「さっきは言いすぎたね」と一言伝えるだけで、親子の関係性は少しずつ変わっていきます。
あなたが怒りを手放すことって、実は“つながりを取り戻す”こと。
それこそが、思いがすれ違っていた不登校のわが子とあなたを、再び同じ方向へと導いてくれるのです。
※ストレスから自分の心を守るためのヒントを知りたいあなたに、おススメの記事です(*^^*)
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怒りを超えて「つながり直す」ために
それでは最後に、怒りを超えて親子でつながり直すために必要なことを、3つお伝えします。
①「ごめんね」より「ありがとう」を増やす
1つ目は、「ごめんね」より「ありがとう」を増やすこと。
怒ってしまったあと、つい「ごめんね」と謝りたくなります。もちろん、それも大切なこと。
でも、時には「ありがとう」に言い換えてみてください。
「ご飯食べてくれてありがとう」
「話してくれてうれしかったよ」
謝るよりも感謝の言葉の方が、本人の自己肯定感を高め、心の距離を少しずつ縮めてくれます。
「あなたと過ごせてうれしい」というメッセージが、こどもに“自分は受け入れられている”という安心感を届けてくれるのです。
※息子に私が感謝を伝えたやり方を知りたいあなたに、おススメの記事です(*^^*)
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②こどものペースを“尊重する姿勢”を持つ
2つ目は、こどものペースを尊重する姿勢を持つこと。
親から見ると、不登校のわが子は「完全に止まっている」ように見えますね。
ところが、実は「内側で何かがしっかり動いている時間」なのです。
親が「早く元の元気なころのあの子に戻してあげたい」と思う気持ちは自然ですが、こどもにはそれぞれの“回復のペース”があるのです。
親がわが子のペースを信じて、待つ姿勢を持つこと。それこそが、再びこどもが動き出す力になっていきます。
息子も、私が無理やり登校させようとするのを止めてから、少しずつ笑顔を取り戻し、元気になっていきました。
※止まっているように見えるわが子。でもその中は「サナギ」の状態かもしれません。ぜひ、お読みくださいね(*^^*)
③「自分を責めないこと」が最大のサポート
3つ目は、あなた自身が自分を責めないこと。
私を始めとした多くの母親たちが、「自分のせいでこどもが不登校になった」と感じています。
でも、そうではありません。
親も子も、本当に必死に生きてきただけ。
ただ、親子でちょっとズレが起きていただけだから、
「誰が悪い」という犯人探しをするのではなく、
「これからどうしていくか」に焦点を合わせることの方が、ずっと大切。
あなたの中の怒りや後悔の先には、“新しい親子関係の芽”が、必ずあるはずです。
だから、まずはあなたが、自分を責めないと決めてみましょう。
そこから親子の関係は、少しずつ回復に向かいます。
※『母親失格』と、自分を責めて苦しんでいるあなたにおススメの記事です(*^^*)
まとめ|“怒らない母親”になることが目的ではない
いかがでしょうか?今日は、「不登校の子に怒ってしまうあなたへ|“もう繰り返さない”3つの方法」というテーマでお伝えしてきました。
「今日は怒らないぞ」と思っても、夕方になれば「また怒ってしまった・・・」と自己嫌悪になる。
誰にでもそんな日だって、ありますね。
いや、当時の私は“そんな日ばかり”の日々でした。
でも、それでいいのです。母親も、一人の人間。完璧でなくていいのです。
だって、「怒らない母親」になることが目的ではないのだから・・・
大切なのは、“怒ったあとに、どう立ち直るか”なのです。
その積み重ねが、こどもにとって「安心できる母親」という土台になっていく。
だから、そんな時は「今日はうまくいかなかった日だったね。でも、それでOK!」そうやって自分に優しく言ってあげてくださいね。
“自分を責めないこと”が、実はわが子への最大のサポートになるから(^^)
FAQ(よくある質問)
不登校の子を前に、つい感情があふれてしまうのは、あなただけではありません。
多くの親御さんが「どう関わればいいの?」と悩んでいます。
ここでは、よくいただく質問をまとめました。きっとあなたの心が少し軽くなるヒントが見つかるはずです。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事を書いた人

- チェンジングカウンセラー®
-
~ひきこもりという悩みや生き辛さをチャンスに変えてなりたい自分へと導いていく~
《40代、50代女性専門》チェンジングカウンセラー®の平井いずみです。
現在、鹿児島県在住。インターネットを中心に活動していますが、時々屋久島に出没します。
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