ひきこもり息子のお金の管理法|責任感と自立心を育てた親の全記録

こんにちは。
不登校・ひきこもりの母親専門『チェンジングカウンセラーⓇ』の平井いずみです。
ひきこもりのわが子がいる親にとって、「お金の管理をどうするか」は避けて通れないテーマですね。
すべてを親が肩代わりしてしまうと、こどもに責任感が育たず、自立のきっかけを失ってしまうことも考えられます。
ところが、そうかといって、いきなり全てを任せてしまえば、浪費やトラブルにつながるのではないかと不安になる・・・
実際私には、高校1年で不登校になり高校を退学。在籍中も含めると、7年近く自宅でひきこもり状態だった息子がいます。
そのため親として、「返せないのにお金を渡すと甘やかしになるのでは?」「責任を持たせる方法はある?」と葛藤しましたが、今ではその息子も自立し、元気に働いていて^^
実は以前、ひきこもりの息子に渡していたお小遣いが、結果的にひきこもりから抜け出すきっかけになった経緯について書いた記事があります。
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当時は、とにかく将来に対する不安や健康面など、心配の種が尽きなかったです。
そんなたくさんの心配がある中で、お金のことでも私たち夫婦は本当に思い悩みました。
息子がいずれ自立をして、自分で生活をしていくときに必ず必要になるのが、お金のやりくりだからです。
ということは、うまくお金を使えるようになるにはどうしたらいいのかが、大切になってきますね。
そこで今日は、お金をテーマにした第2弾『ひきこもり息子のお金の管理法|責任感と自立心を育てた親の全記録』というテーマでお伝えしていきます。
親がどこまで担い、どの部分を子どもに任せるのか。
実に悩ましい判断になってきますが、読んでいただければ、あなたのご家庭でも、すぐに取り入れられるヒントが見つかるはずです。あなたの心が少しでも軽くなりますように・・・
目次
なぜひきこもりの息子にお金の管理を任せたのか?

そもそも、なぜひきこもりの息子にとって、お金の管理が必要なのでしょうか。
それは、やはりいずれ自立をして、自分で生計を立てていく時の大切な基盤が、お金のやりくりだからです。
つまり、お金の管理は“自立への第一歩”ということ。決して、甘やかしではなく「責任」を学ぶチャンスだと、私は考えています。
せっかくもらった給料を、数日のうちに一気に使いきってしまう。
そうかと思うと、節約に目覚めてしまって、お金を切り詰めるあまりに健康を害してしまったり・・・など、お金に関してはいろんなリスクがありますね。
しかも、息子の場合、長期のひきこもり状態だったので、同じ年代の人たちよりも、絶対的に社会経験が足りません。
・高校や大学に行っている時に、アルバイトをして収入を得る。
・友達と、学校帰りにカラオケに行く。
・アルバイト仲間と、旅行に行く。
・彼女と、好きなアーティストのライブに行く・・・
このように、学校に行っていれば、自然とさまざまな体験を通して、「稼ぐ」「使えばなくなる」「自分で責任を持ってやりくりする」という、大切な金銭感覚を身に付けていけますね。
つまり、収入と支出のバランスを考えて生活していくスキルを、ちゃんと覚えていくのです。
ところが、高校1年の途中からひきこもり状態だった息子には、このような体験から学ぶことが一切望めませんでした。
でも、この先生きていく上で、上手にお金を使えるようにしていくこと。うまく、お金のやりくりをしていくことは、自立に直結する重要なことなのです。
※一般的に言われる4種類の自立や、そのプレッシャーを軽くするヒントを書いているのがコチラの記事です^^
【関連記事】自立へのプレッシャーを解消する方法
私が実際に取り入れた!ひきこもり息子へのお金の管理法
息子にお金の管理を教えるにはどうしたらいいのか。色々と悩みましたが、最終的に行き着いたことがあります。
それは、すべてを息子に丸投げするのではなく「親が管理すべき費用」と「息子に任せる費用」を切り分け、それぞれに責任を持つという考え方です。
つまり、ひきこもりの息子にもお金に関しての責任を持たせるということ。
それではここから、実際にわが家で実践して自立に繋がった、ひきこもりの息子関連のお金の使い方を、2つに分けてお伝えします。
①親が責任を持つべきお金

1つ目は、親が責任を持つべきお金。
通常、親が責任を持つべき代表的なお金として考えられるのは、生きていく上で必須な、衣食住や学校関係・習い事などの費用がありますね。
実は、高校を退学し、所属先がなくなった当初、息子は「予備校に通って、大学に行く」と言っていて・・・
そこで、予備校の学費などは、息子に対する必要経費として親が出していました。
もちろん、数日で通わなくなったり、夏期講習を受けると言ってはお金を払い、結局行けなくなる・・・という感じの状態を繰り返しましたが、それでも息子が「やる」と言ったことには、お金を出し続けました。
高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定)を受ける費用なども、払いました。
学費や受験料だけではなく、通うために必要な洋服からかばん、筆記用具に靴・・・あらゆるものを、親が買いそろえていましたね。
この時点で、当時の私たち夫婦が、息子に学校復帰を激しく期待していたことがバレバレですが(汗)
※こどものことで、頭がいっぱいになっていませんか?自分自身のストレス解消も心掛けてくださいね。そんな時には、コチラの記事がおススメです^^
【関連記事】ストレス解消に効果のある3つのR
②ひきこもりの息子の責任で払うお金

2つ目は、ひきこもりの息子の責任で払うお金。
わが家では、今お伝えしたように、学校復帰に関するお金は親が出していましたが、息子が「新しいパソコンなどが欲しい」と言い出した時には違う対応をしたのです。
そのココロは・・・学校復帰には、関係ないからですね(;’∀’)
とにかく、話し合って『自分で欲しいものは息子の責任で買う』という方法を取りました。
まずは、それまでお年玉などで貯めていた、息子名義の通帳から引き出して自分のお金で買う。
でも、それを使い切った後は、必ず返すことを条件にして一旦親が立て替える。
つまり、ひきこもり状態だったけれど『本人に借金として認識させて責任を持たせた』のです。
ただし、無利子で返済の期限も決めず、催促もせず・・・
と言うか・・・『借金を背負わせる』という形は取っていたけれど、当時は「返してもらえるとは思っていなかった」というのが、本当のところですね。
ただ、形としては「親が出してくれたお金」ではなく、「いずれは自分で働いて返すお金」という認識を、本人に持たせたかったのです。
こうして、息子の “明るい” 借金生活が、スタート!
そりゃ、そうですよね。
いくら借りても、無利子・無担保・無催促(笑)
「パソコンを買いたいから、バイトに行く」
「バイトに行くために、バイクの免許を取ってバイクも買う」
これって、普通に考えると結構な額の借金ですよね。
『パソコン代+免許取得代+バイク代』ほんと・・・マジで高額になりました(;’∀’)
実際に息子は、免許を取ったり、バイクを買ったりするまでは、紆余曲折ありながらも、何とか動いて準備を整えたものの・・・
「必ずバイトに行く!」という息子の言葉を信じて、先にパソコンを買ってしまったらどうなったでしょうか?
はい!あなたにも、きっと想像がつくと思います(;’∀’)
先にパソコンを手に入れた息子が、バイトをすることはなく・・・免許もバイクも、取っただけ、買っただけの状態に(汗)
そして息子は、元の穏やかなひきこもり生活へ・・・
でも、その状態を、私たち夫婦は黙認していました。
その理由は、
『その時彼は本当にそう考え、自分でも動こうとした。でも、動けなかった。それは、まだ彼の中では準備が出来ていなかったんだ』
と、親としては捉えていたからです。
そして何より、息子の人生の主人公は息子自身のものだから・・・
私たちは、彼が自分で動き始めるまで、黙って待とう。それまで、じっくり見守ろう。という方向性を、夫婦で共有していたのです。
※つい、口出しをする癖を止められないあなたにおススメの記事です。
【関連記事】子どもを黙って見守る方法
感動!ひきこもりの息子が借金を完済した瞬間

なんと嬉しいことに、全く期待していなかった、ひきこもり息子の借金返済日が訪れました(*^^*)
とは言え、形としてはひきこもりの息子に借金を背負わせてはいたけれど、実際は返すあてもなく・・・という日々が、本当に長く続いたことも事実です。
それでも、ついに息子が借金を完済!まるで夢のようでした^^
実は、息子がアルバイトを始めたことで、無事に借金返済の道のりがスタート。彼は、給料の半分を返済に充てると、自分で決めていて。
そしてアルバイトに行き始めて、初めての給料。時間も日数も少なく、10,000円に届かなかったのですが・・・
驚くことに、それでも息子はその日から、最初の返済をスタートさせたのです!その時の嬉しかったこと・・・思わずウルウルしたことを、今でも鮮明に覚えています☆彡
その後、1年間働いて返してくれた金額で、それまでの全ての借金を彼は完済!
そしてそのお金が、今度は息子の次のステップへとつながって・・・
ひきこもりの息子が専門学校に行くための入学金や学費、成人式に行けなくて買ってなかったスーツの購入資金などに充てることができたのです。
※不登校・ひきこもりから抜け出すまでの、私たち親子の迷走実体験を書いたのがコチラの記事です(*^^*)
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ひきこもり家庭で親子の金銭管理をする時の2つの注意点

それでは最後に、ひきこもり家庭で親子の金銭管理をする時の注意点について、2つお伝えします。
実はわが家では、しっかり息子と話し合って「自分の欲しいものは、自分で買う」ということを決めていて。
そこからスタートしたのが、ひきこもりの息子の“明るい借金生活”だったのです。
でも私たち夫婦は、当然、ひきこもりの息子に返済能力がないことは、100も承知。
だからそれを前提として、
①頼まれた金額は快く渡す
②返済を催促しない
この2点に気を付けることを、夫婦の共通認識として持っていました。
と言うのも、親の中に
「いつになったら返すの?」
「親だって、いつまでも働けないのよ!」
などの思いがあると、絶対息子に伝わってしまうからですね。
だから、この2点については、あなたにもしっかり意識して欲しいです。
また、息子が何か欲しいと言い出すたびに、その都度私は、息子に渡した金額を手帳に控えておきました。
時々、見直しては、「ずいぶん借金が増えたねぇ」なんて笑ったこともあります。
だけど、そんな一見マイナスに思えるような話題を、笑いながら親子で話せることって、親子関係にとってはとても重要なことだと思うのです。
実は、親から借金ができることが分かっていたから、ひきこもりの息子が勇気を持って、県外で開催されたネットゲームのオフ会に行くこともできました。
それら、借金によって積み重ねていった息子の体験の全てが、彼の自立に向けた小さな一歩になっていたことが、その後の歩みを振り返るとよく分かります。
何がチャンスになるかわからない。
何がきっかけになるかわからない。
だからこそ、ひきこもりの本人にとって大切なことを親が見極め、わが子を信頼し、任せることが必要なのだと思います。
とは言え、借金の額が増えていくと、親としては焦りますよね。
でも、それで、本人を追い詰めてしまっては、元も子もありません。
ただ、家庭の状況はそれぞれなので、もし金額的に難しい時でも頭ごなしに拒否するのではなく、しっかり家計の状況を本人にも伝え、一緒に協力しながら考えていく姿勢が求められます。
親は腹をくくって、本人に全てを任せるしか出来ません。
それは、親が本人の人生を、代わりに生きることができないから・・・余計な口出しはせず、ここでもわが子を信じて見守る姿勢がとても大切です。
親とこどもの人生は別物ということを、常に意識しておきましょう。
※あなたにはあなたの人生が、そしてこどもにはこどもの人生があります。今の悩みが“誰の問題か”という視点を持ちたいあなたにおススメです^^
【関連記事】ひきこもりという悩みを自分で引き受ける覚悟
まとめ|お金の管理を通じて「責任感」と「信頼関係」を育てよう

いかがでしょうか?
今日は、『ひきこもり息子のお金の管理法|責任感と自立心を育てた親の全記録』というテーマでお伝えしてきました。
本当に、わが子にお金の管理について教えていくことは、難しいことですよね。それが、ひきこもりの子だとしたら、更にハードルが高くなってしまう。
あなたも、だからこそ悩んでいるのだと思います。
かつて私自身も、親亡き後のことなど、彼の将来について真剣に悩んでいた時期があり、お金の管理についても、ちゃんと向き合っていかなければいけないと考えました。
そして、ひきこもりの息子が「パソコンが欲しい」と言い出した時、私たち夫婦は悩んだ末に、形だけでも息子に借金を背負わせる、責任を持たせるという選択をしたのです。
息子がそれに対して、どういう反応するか全くわからなかったけれど・・・腹をくくって、覚悟を決めてそう伝え、話し合いました。
暴れることも、想定しながら><
だけど息子は、それをしっかり受け止めてくれたのだと思います。
それが、借金完済につながりました。
このことは、息子にとって、大きな達成感や自己肯定感を得られた出来事だったと感じています。
自分が働いてお金を得るということ。
そして、そのお金でまた好きなものを買ったり、行きたいところに行ったりするということ。
その楽しみを、息子はアルバイトをしながら、少しずつ覚えていきました(*^^*)
・〇マゾンで、ポテチの大人買いをしたり(笑)
・コー〇が、二箱一気に届いたり・・・
毎日のように届けてくれる配達の人に、恐縮していたこともありましたね(;’∀’)
でも、それが出来るようになったということは、息子がひきこもりから抜け出したということなのです。
そしてそれは、『背負った借金を返す責任』が、きっかけの一つになっているということは、まぎれもない事実なのです(*^^*)
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
~あなたが、ひきこもりという悩みで苦しんでいるなら『チェンジング・カウンセリング』がお役に立てると思います~
この記事を書いた人

- チェンジングカウンセラー®
-
~ひきこもりという悩みや生き辛さをチャンスに変えてなりたい自分へと導いていく~
《40代、50代女性専門》チェンジングカウンセラー®の平井いずみです。
現在、鹿児島県在住。インターネットを中心に活動していますが、時々屋久島に出没します。
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