ひきこもりの息子にお小遣いは甘やかし?支援になる理由4選と実体験

こんにちは。

 

『不登校・ひきこもりの母親専門』チェンジングカウンセラーⓇの平井いずみです。

 

「働いてないひきこもりの子にお小遣いを渡すのは、甘やかし?それとも支援?」

 

「お小遣いを渡すことで、ひきこもりがよけいに長引いちゃうかも知れない…」

 

高校1年の時に不登校になり、休学中も含めると7年近くひきこもりだった息子のいる私は、このように彼のお小遣いについて、迷っていた時期がありました。

 

これって、『正解』がないからこそ、親は悩むのですよね。あなたもそうではありませんか?

 

そして、こんな状況だと、親は「どうせ仕事もしていないのだから、お金は必要ないだろう」と、考えがちです。でも、本当にそうなのでしょうか? 

 

そこで、カウンセラーとしての専門的視点と、ひきこもりの息子を支えてきた母親としての実体験から、「お小遣い=甘やかし?」という問いの答えを「ひきこもりの息子にお小遣いは甘やかし?支援になる理由4選と実体験」というテーマで、具体的にお伝えしていきます。

 

あなたの心が少しでも軽くなりますように・・・

 

ひきこもりの息子にお小遣いは甘やかし?専門家の見解と理由

それではまず、ひきこもりの息子にお小遣いを渡すのは甘やかしなのかについて、考えてみましょう。

 

家にひきこもり続けるばかりで、ほとんど外に出ない息子に、経済的サポートをすること。私自身、どこか後ろめたく葛藤しながら「これって、甘えさせてしまうだけ?」と何度も自問した経験があります。

 

もしかしたらあなたも、

・自分で稼ぐことの大切さを教える機会を、逃してしまうのではないか
・何もせず家にずっといて、毎月お小遣いを渡すなんて甘やかしじゃないのか

このような『正論』が自分の頭の中だけでなく、周囲からも聞こえてくるからこそ、悩んでしまうのかも知れませんね。

 

そこで、まず知っておいて欲しいことは、『ひきこもりの本人が、社会との接点を失い、自信も意欲も無くしている状態』だと考えられること。

 

そんな時に、ほんの少しでも“自分の意思でお金を使える”という体験は、「自分の好きなものを選べる」という感覚につながり、自己肯定感を高める効果もあって。

 

これは、普通に生活をしている私たちには、分かりにくい感覚かも知れないけれど、『ひきこもり状態で心が完全に閉じてしまうのを防ぐ、大切な砦のようなもの』と考えると、イメージしやすいかも知れません。

 

でも、だからと言って、なんでも好きに与えればいいわけでもないですよね。だからこそ、親は悩むのです。

 

そして、お小遣いが「甘やかしなのか、支援なのか」、どちらか一方に白黒はっきりつけようとすると、あなたが余計に混乱して悩んでしまうことも…

 

どうしてかと言うと、これってケースバイケースで対応が変わり、本人のその時の状態によっても左右されてしまうような、単純に『正解』を出すことができないことだからです。

 

そして、『正解』がないからこそ、“わが子の今”と向き合いながら、親自身が自分で選ぶこと。

 

同時にその金銭的支援を、本人の行動をコントロールする道具にしないためにも、“お金の意味付け”と“渡し方”が、何よりも大切だと私は考えています。

 

※息子が自分の欲しいものを買うために親から“借金”をし、完済できた経緯を書いています。ぜひお読みください^^

【関連記事】ひきこもりの息子に責任を持たせる我が家の金銭管理法

 

ひきこもりの子に「お小遣い」で条件をつけると逆効果?親の心理を解説

それではここから、親がお小遣いでコントロールしたくなる心理について、お伝えしていきます。

 

お小遣いという金銭的支援をする時、私たち親の心の中には、

「こんなことしていていいの?」「この子はこれで前に進むの?」という不安や迷い・焦りがあるからこそ、

「ただ渡すだけじゃダメ。何か条件をつけなければ…」という、本人の行動をコントロールしようとする意識が生まれてしまうのです。

 

そして、そこにあるのは、今の本人の状態を否定し、『何とか動かしたい!』という、親としての強い想いです。

 

あなたはどうでしょうか?

 

もちろん、私もそうでしたが「この子が変わるきっかけになるなら…」「お金が動機でもいい、少しでも動いてくれたら…」そんな期待が親の心にあるのは当然です。

 

でも、それが強くなりすぎると、お小遣いは『信頼』や『見守り』のメッセージではなく、「ちゃんと動かなきゃ貰えないもの」になってしまいますね。

 

つまり、親の金銭的サポートが、場合によっては、『本人の行動をコントロールする手段』になってしまうこともあるということ。

 

しかも、こどもって、親の気持ちを驚くほど敏感に感じ取っています。

 

そのため、特に何も言わなくても「ああ、また期待されている」「このお金をもらうと、何かしないといけないのかな」などと、マイナスに受け取ってしまう可能性があることを、しっかり意識しておく必要があります。

 

それは、このような状況では、親子の信頼関係を育むことが難しくなってしまうからです。

 

【体験談】お小遣いで息子が変わった!ひきこもり支援になる4つの理由

 

実は私は、迷った末、息子に対して毎月お小遣いを渡していました。そこにはきっと、大きな意味があると感じたからです。

 

それではここから、その理由を4つに分けてお伝えしていきます。

 

①ひきこもりの息子にお金を使ってあげたい

まず1つ目は、家族の一員である息子がひきこもりだったからこそ、むしろお金を使ってあげたかったのです。

 

実は息子がひきこもり状態だった時、ほとんどお金がかかりませんでした。

 

たとえば…退学したので、学費は無し(;’∀’)

 

外出しないので、携帯もガラケーで、通話とメールができれば十分な状況。つまり、携帯代も安く済みます。だから我が家で、iPhoneが出てから最初に飛び付いたのは、親(笑)

 

さらに息子は、家で好きなことをして過ごしているからか本当に元気で、風邪すらひかない!

 

「熱が出れば病院に連れて行けるのに」、「歯が痛くなれば、歯医者に連れて行けるのに」なんて思っていたくらい、実にピンピンしていて^^

 

だから、病院代もかかりません。ほとんど出かけないので、靴や洋服も買わないし…

 

そうなると、息子に使ってあげられるお金は、単純にお小遣いくらいしかなかったということ(笑)

 

②息子との関わりを持ち続けたい

続いて2つ目は、ひきこもりの息子と関わりを持ち続けたかったからです。

 

私たち親はつい、「経済的サポートをしないで生活に困れば、本人の自立につながるのではないか」などと、考えてしまいがち。

 

だけど、親が何も関わらなければ、それでひきこもりのこどもは自立するでしょうか?

 

逆に「もう誰にも相手にされていない。必要とされていない」と感じて、心を閉ざしてしまう可能性もありますね。

 

そう考えると、お小遣いは『自己否定感の塊』になってしまっているひきこもりの本人に手渡せる、親からの“数少ないプレゼント”の一つとも言えるのです^^

 

つまり、毎月経済的サポートをすることで「応援しているよ」「あなたは大切な存在だよ」というまなざしで、わが子に言葉にならない気持ちを伝えることもできますね。

 

だからこそ私は、お小遣いを「依存させてしまうもの」と考えるのではなく、息子との関わりを持ち続けるために渡していたのです。

 

※私の息子に対する対応…つまり、まなざしの変化について書いた記事です。ぜひお読みください^^

【関連記事】ひきこもりの息子に対する、私のまなざしの変化

 

③お小遣いが息子の外出とコミュニケーションのチャンスに!

続いて3つ目は、お小遣いを渡すことで、ひきこもりの息子が外出し、コミュニケーションのチャンスが生まれるからです。

 

実は私、『お金を使うこと=人と関わること』だと思っていたからこそ、彼にお小遣いを渡し続けていました。

 

では、息子のお金の使い道って、なんだったと思いますか?実は、ほぼネットゲームの課金。

 

でも、結果的にそれが、息子のひきこもり脱出の大きな力になっていきました。

 

と言うのも、ゲームの課金をするために息子がコンビニに行く。すると、当然そこでは、家族以外の人とリアルで関わる場面が出て来るのです!

 

こんなことすら当時の私は、息子にとっての、貴重な外出とコミュニケーションのチャンスだと、感じていました。

 

さらに、息子に頼まれ私が車で連れて行った時には、ついでにスーパーまで買い物に行ったり外食したり^^

 

そうそう(*^^*)コンビニに連れて行くと、息子は漫画の立ち読みなどもしていたため、私は車の中で30分以上待っていることも多かったですね。

 

でも、実はそれも、当時の私にとっては嬉しい出来事のひとつでした。どうしてかって?

 

だって、その間息子は、ずっと立っているんですよ!

 

家では、ほぼ座りっぱなしの生活。だから、コンビニ行きは、その生活から抜け出すための、なんとも貴重な機会になっていたのです。

 

④なんと!ひきこもりの息子に仲間ができる!

最後に4つ目は、ひきこもりの息子に仲間ができること。 

 

コンビニで課金をすることで、息子はネットゲームで楽しく遊び、仲間が出来て、チャットをしながらさまざまな人たちと、色んな会話をするわけです。

 

ゲームに課金することを、「もったいない」「無駄」という見方をすることも、もちろん出来ますね。

 

そして、多くの人がそういう考え方をしていると思います。と言うか…私の価値観だと、今でも課金してまでゲ-ムをすることは考えられません。

 

だけど、当時の私は、自分の価値観をいったん横に置き、「息子の気持ちを大切にすると、どうなるか」と想像したのです。

 

そして、『息子は課金することで、笑顔になれる仲間を得ている』と思いました。

 

だからこそ、たとえ “私には理解出来ない” ゲームの課金だったとしても、『お金を使って、人とつながること』が、とても大切なことだと感じられたのです。

 

お小遣いがひきこもり脱出の鍵に?息子が自立した驚きの変化

実は、ひきこもりの息子に、お小遣いを渡していたら…驚くことに、予想もしていなかった嬉しいことが起きました。

 

それは、完全にひきこもりだった彼が、動き出したこと!きっかけは、『オフ会』でした。

 

「県外であるオフ会に行き、同じネットゲームの仲間たちと会いたい」息子が、そう言ったのです。

 

私たち夫婦は、もちろん大賛成(*^^*)

 

「会いたい」と思える人がいることが嬉しいし、それを行動に移そうとしていることも嬉しかったです。

 

そして、それこそが他者とつながっている証だから…

 

その後息子は、自分なりに安く行ける交通手段を考え、出発(*^^*)

 

親ができる金銭面での関わりを続けていることが、こういう嬉しい結果につながっているとは、まったく思っていませんでした。

 

でも、今振り返ると、はからずも他者とつながり続けるための手段や、ひきこもりから抜け出すための一歩として、息子の場合は『お金を使う』ことが、大きなきっかけになったということ。

 

これこそが、お小遣いを渡し続けてきた大きな意味であり、ひきこもりの息子の自立に繋がっていきました。

 

※当時の息子にネットゲームがどれだけ必要だったか、オフ会に行った時のエピソード等をぜひお読みください^^

【関連記事】ひきこもりだった息子にとってのネットゲーム

 

ひきこもりの子にお金を渡すときの注意点と親の心構え

それでは最後に、ひきこもりの本人にお金を渡すときの注意点と、親の心構えについてお伝えしていきます。

 

それは、ズバリ!親が、その使い道に口出し(=コントロール)をしないこと。

 

息子のお小遣いの使い道は、親の常識ではあり得ないゲームの課金。

 

でも結果として、そのおかげで、『オフ会への一人旅を不安と一緒に実行』という、息子にとっては、恐ろしくハードルの高いことをやり遂げられたくらい、“会いたい人たちを見つける”ことが出来ました。

 

私たちが、自分たちの当たり前、世間のふつう、自分たちの価値観に縛られて、課金に使うくらいなら息子にお小遣いは渡さない。

 

そんな選択をしていたら、どうなっていたでしょうか?

 

今でも息子は、家にひきこもり状態だったかも知れません。

 

だから、その出来事をどう捉えるか。それによって、大きく選択が変わり、また結果が変わっていくということなのです。

 

私たち夫婦が、ネットゲームの課金に使われると分かっていても、息子に金銭的支援を続けてきたこと。

 

それが今、社会人として元気に働いている息子に繋がっていることは、紛れもない事実です。

 

だからこそ、「私は、この子がいつか自分のペースで動き出すまで待つ」「私がお小遣いを渡すのは、この子を黙って見守る姿勢の一つ」など、親自身が自分の立ち位置を明確にしておくことが、とても大切だと考えています。

 

何故なら、親にそれだけの覚悟があると、不安に流されて、本人に余計なことを言ったり、怒りやモヤモヤをぶつけずに済むからです。

 

そして何より、親が自分の心を整えている姿こそ、ひきこもりのこどもが「安心して前に進める原動力」になっていきます。

 

※どう関わっていけばいいのか分からず悩み苦しんでいた私が、息子を自立に導いた対応方法がコチラの記事です^^

【関連記事】子どもを黙って見守る方法

 

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まとめ

いかがでしょうか?

 

今日は、「ひきこもりの息子にお小遣いは甘やかし?支援になる理由4選と実体験」というテーマでお伝えしてきました。

 

私は、お小遣いという形で親ができる金銭面での関わりを持つことは、ひきこもりの子どもとの「信頼関係」を築くためにも、とても重要だと考えています。

 

そして、そのために必要だったのは、私自身の価値観を横に置き、息子の視点からお金の使い方を見つめ直してみることでした。

 

もちろん、不登校やひきこもりになった背景は、ケースバイケース。こどもによって、家庭によって、それぞれ違いますよね。

 

だからこそ、親は悩むのです。でも、親だからこそわかる対処法があるのではないか、と私は感じています。

 

すぐに結果が出なくても、「つながり」を大切にし続けることが、やがてわが子の自立のチカラになっていく。

 

そう信じて、「親として、今何ができるか?」というあなたの中の問いに、この記事が少しでもヒントになれば嬉しいです(*^^*)

 

あなたが1日も早く、ひきこもりという悩みから解放されることを願っています。

 

いつでも私は、あなたを応援しています♪

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

~あなたが、今、抱えている悩みで苦しんでいるなら『チェンジング・カウンセリング®』がお役に立てると思います~

この記事を書いた人

『カウンセリングルーム いっぽ』代表 平井いずみ
『カウンセリングルーム いっぽ』代表 平井いずみチェンジングカウンセラー®
~ひきこもりという悩みや生き辛さをチャンスに変えてなりたい自分へと導いていく~
《40代、50代女性専門》チェンジングカウンセラー®の平井いずみです。

現在、鹿児島県在住。インターネットを中心に活動していますが、時々屋久島に出没します。

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